（3）塩類集積防止対策①雨水による除塩休耕期を設定し，その期間ビニール

（3）塩類集積防止対策①雨水による除塩休耕期を設定し，その期間ビニールを除去して雨水を土に浸透させる。雨水を利用した除塩の効果は非常に高く，葉ネギの生育は良好となり，葉先枯れ症も発生しなくなる。②ソルゴー，デントコーンの作付けまた，ソルゴーやデントコーンなどを無肥料で作付けし，ある程度の背丈になったらハウス外へ搬出することによって除塩できる。デントコーンの栽培は湛水処理に近い効果が期待できる（第4表）。③播種前の灌水処理応急的な除塩対策としては，播種前の灌水処理がある。灌水処理によって土壌の水溶性イオン濃度は低下し，電気伝導度は無灌水区の約4分の1になった（第5表）。また，灌水処理によって葉ネギの葉先枯れ症の発生株率は半減し，収量は増加した（第6表）。灌水の方法は，現場の土壌条件に応じて工夫する必要がある。粘質土壌では，収穫後なるべく早く灌水処理を行なうとともに，時間をかけて水分を栽培床に浸透させる。灌水処理による除塩は，応急対策とはいえ，環境への影響を十分に考慮したうえで実施すべきである。処理水は排水路を通じて流し，地下に浸透させないようにする。