喜びで変わる飲食チェーン店で働くTさんは、関東地域の十店舗を管理しているマネージャーです。入社当初は、お客様との会話が楽しく仕事にやりがいを感じ、店長時代には売り上げを伸ばし、やがてエリアを任されるようになりました。しかし、管理者になってから、エリアの売上が落ちると、店長や社員にきつく当たることが多くなってきました。やがてTさんは、仕事に対する情熱が落ちていくのを感じ、頑張ろうとしても気力がわかなくなったのです。人工知能研究者の黒川伊保子氏は、自著に『「人をとやかく言う」ことを繰り返していると、瞬時に脳にブレーキがかかるようになる』と記述しています。Tさんはそうした悪循環に陥ったのかもしれません。そのような中、エリアの店長が急病となりカウンターに立つことになったTさん。お客様の喜びの声に店長時代の生きがいが胸に甦り、最近の働き方を反省したのでした。以来、お客様の声に耳を傾け、朗らかな心で社員を育てる指導法に変えたのです。働く喜びは、充実した人生の必須条件ではないでしょうか。