2. GMR-IC 式検知原理2.1 GMR-IC 式センサーの取り付け状態 GMR-IC 式センサーの取り付け状態を図 2 に示す。ICの耐熱温度は 150℃であり渦電流式と同じ位置(200℃)でターボの回転を検知すると圧縮した空気の熱で壊れるため,センサーの搭載位置を見直す必要がある。また,GMR-IC の測定可能周波数は上限が 10 kHz のため,測定する回転速は低いほうが望ましい。そこでアルミ製の羽根固定用のナットを磁石にし,その回転を GMR-IC で検知する方法を検討した。IC は 1 〜 10 kHz の回転計測が可能なものを選定し,磁石は 2 極の着磁を行うことでターボの回転 1 回転で 1 パルス出力するようにし,30 万 rpm計測時でも 5 kHz と,IC で検知可能な周波数にすることができる。 センサーの IC 搭載部は車両動作時,吸入エアにさらされ 40℃程度(車両停止時は 150℃(瞬時))と IC が動作可能な温度となっている。回転速センサーは吸入エアの流れを妨げないよう吸入口の外側に配置することから,磁石から GMR-IC までの検知距離を従来の自動車用回転速センサーに比べ , 広くする必要がある。車の排気量が大きくなると,圧縮した空気をより多くエンジンに送るため,ターボの吸入口を広げる必要もある。吸入口を広げるとセンサーとナットの距離が遠くなるため,距離を広げても検知できるようにすることが重要なポイントとなる。