[0001] 【産業上の利用分野】この発明は、例えばシンクロトロン加速器等の粒子加速装置用のビームダクトなどに好適な真空容器に関する。[0002] 【従来の技術】荷電粒子を加速・蓄積する装置であるシンクロトロンあるいはストレージリングの構成要素として、加速高エネルギー化したビームが通過するビームダクト等の真空容器が使われている。シンクロトロンのビームダクトは内部がほぼ真空に保たれるため、外圧に耐える肉厚と気密性が要求される。従ってこの種の真空容器の通常の肉厚は、例えば3.0mm 前後とかなり厚いものである。[0003] 上述のように肉厚の厚い真空容器は、電磁石の磁場変化にさらされることによって渦電流が発生することがある。この渦電流は更にビームダクト回りに磁場を作るため、軌道を周回するビームの不安定性を引き起こす原因となる。このような観点からすると、真空容器の肉厚は薄い方が良いが、肉厚が薄くなるほど外圧に対して変形しやすくなるため、薄肉金属管を用いた真空容器は何らかの補強手段が必要となる。また真空容器は、その材料が非磁性であることおよびガス放出が少ないことも重要である。[0004] 例えば図6に示したベローズタイプの真空容器100 (従来例1)は、薄肉金属管からなる容器本体101 に、軸線方向に所定ピッチでひだ壁102 を形成することによって、容器本体101 の強度を高めている。この種の真空容器100 は電気抵抗が大きく、渦電流の発生を回避する上で有効であり、しかもビームの軌道半径に応じた曲率で湾曲させることも比較的容易である。