[0011] 【作用】容器本体の外周部に固定された補強フィンは、外圧に対して容器本体が変形することを阻止する働きをもつ。またこの補強フィンによって容器本体の形状が正確に保持されるため、容器本体を偏向磁石等の設備間にセットする際に容器本体の形状精度を高めておく上でも役立つ。[0012] 上記フィン固定部は、液圧バルジ加工等によって容器本体の一部を内面側から加圧することにより、補強フィンの内周縁部を全周にわたって囲むような形状に作られる。フィン固定部に補強フィンが圧着固定された状態で、硬ろう付け等による接合が行われるため、長円形断面(レーストラックタイプ)のような平坦な部分をもつ容器本体でも、フィン固定部と補強フィンを所定位置に確実に保持した好ましい状態で、ろう付けが実施される。このため、ろう材がはみ出したり,ろう付け不均一などの不具合を生じることなく、必要最少限のろう量で品質の高い補強フィン接合部が得られる。補強フィンは容器本体の外面側に設けられるため、補強フィンを設けても容器本体の内面に凹凸は生じない。[0013] また、補強フィンとは別の位置に設けられる成形凸部も容器本体の耐真空強度を高めるのに役立つ。従って、補強フィンの配置間隔を大きくとることができ、ろう付け箇所の数が従来の補強リブタイプ(図7)に比べて大幅に減少する。容器本体の全周にわたる上記成形凸部は、容器本体をビームの軌道半径等に合わせた曲率で曲げることを可能にする。また、周方向の一部にのみ成形凸部を設けても剛性アップが図れ、この場合には内面の凹凸が少なくてすむ。[0014] 容器本体の全周にわたる上記成形凸部によって、容器本体が軸線方向にある程度の伸縮性をもつようになるから、加熱時などにおける熱膨張等に起因する軸線方向の変位を吸収させたり、この真空容器を所定の設備・機器に組込む際に軸線方向等の寸法調整機能も果たすことができる。