1)社風 企業活動にどう影響しているか定かではない社風だが、それが企業の大成功や飛躍的発展に大きな役割を果たしたように見 えるケースが多々ある。労働者の参加を得るためにも、企業の全成員の価 値の共有は不可欠だった。この観点は企業が一種の宗教団 体でもあるということを意味した。つまり、企業が競争力を得るためには従業員に働きかけて、同じ価値を共有できるようにしなければならない.2)職務記述書 労使関係と協調的な職場が必要だという指摘 価値観に基づく実践である。欧米とくに英米では労働は契約であり、職務記述書で詳細に明示された作業内容さえ行えば、契約で定めた賃金が支払われるとされていた。3)企業の組織能力 コア・コンピタンスは他社が真似できないような独自の持続した競争力の卓越を指摘したということより、それ が企業の固有の組織能力として形成され、維持され、発展させられているという点への着目こそに最大の意義がある。ケイパビリティ学派はこうした変革 の時代に企業に求められる組織能力を明確にしてきたし、それ ぞれの企業が持つ組織能力がどの程度こうした要求に応じて いるのかも考察してきた。4)業態転換 企業はどうであれ、既存の事業を捨てて、しかし既存事業の資産が活用でき、かつ現在から将来にわたって発展が期待できる分野に業態転換することだ。同じ企業の同種の職場には比較的容易に移転できる。しかし、異種の職場に直接移転するのは難しい。工場での労働慣行を事務所に持ち込むのは難しいということだ。とはいえ、間接的な移転効果は期待できる。