本研究室は、主に遷移金属を触媒とする斬新な有機反応やヘテロ原子の特性を活かした新反応の開発を手がけている。分子変換および反応機構の革新性を追求した理学的要素の強い研究である。計算化学者との連携も密にとり、有機反応の要である反応機構の解明にも力を注いでいる。一方で、有機化学という学問の特性上、生物活性物質や有機エレクトロニクス材料の合成など他分野への波及効果を意識した展開も自然発生的に行っている。グラフェンをはじめとする原子層の科学にも有機化学的アプローチを図り、物理学者との共同研究も進めている。有機化学の可能性は無限である。