また、湖やその周囲の森ではヒメマス、ウグイ、イトウなどの魚や、鹿を獲ったり、ギョウジャニンニクやニリンソウ、オオウバユリの根などを採取しました。山菜の採取は必要最低限だけ、一ヵ所を採り尽くしてしまわないことを原則としていました。獲ってきた魚や鹿、採ってきた根のでんぷんで作った団子などは、アイヌの伝統家屋チセの囲炉裏の上で干し、燻製にしました。アイヌの料理は、食材そのものを活かすようシンプルな味付けで無駄なく調理されました。主食は「オハウ」と呼ばれる汁物です。肉や魚のアクを青物に吸わせえぐみを和らげ、獣や魚の油脂を使って甘味を増し、味を調えました。さらっとしたサヨ(お粥)とセットで一食が完成することとなります。