家を建てようと考えている人や家を購入しようと考 えている人も、建築構造

家を建てようと考えている人や家を購入しようと考 えている人も、建築構造についての基本的な知識を持 っているほうがよいのではないだろうか。そこで建築 構造についての基本的な考え方をご説明する。建物の構造は、特殊な構造を含めるとその種類は無 数にあるが、基本的には柱と梁を主体とした構造と壁 構造とに分けられる。柱と梁を主体とした構造には軸 組構造とラーメン構造とがある。柱と梁の接合部分が 鋼接になっているものをラーメン構造、そうでないも のを軸組構造と呼ぶ。軸組構造では、柱と梁だけでは 水平力に対抗できないので、筋交いを入れるなどした構造壁が必要になる。 ラーメン構造でも、水平力に対抗するための耐力壁を設ける場合がある。木 造の場合、日本建築の伝統的な構造(在来工法)は軸組構造にあてはまり、ツー バイフォー(2X4)は壁構造になる。鉄筋コンクリート造(RC造)では、ラーメ ン構造または壁構造になる。鉄骨造(S造)の場合は、原則的にラーメン構造と なる。平屋建ての建物の場合、垂直方向の力に対しては、屋根がきちんと支えら ていればあまり問題はない。水平力に対して働く壁が、直行する2方向で、 れぞれ十分に配置してあるかどうかが重要である。ただし、壁の量が十分 も、建物全体にバランスよく配置されている必要がある。壁がバランスよ 配置されていないと、壁のある側に力が集中してしまい、建物にれが生した り、過大な力の集中によりその部分が破壊されたりする可能性がある。ラ メン構造の場合は、原則として、柱・梁が格子状に整然と配置されている必要 がある。2階建て以上の建物の場合は、垂直方向の力に対 しても、十分に検討する必要がある。壁構造の建物 では、室内の家具や人の重さによって生じる力は、 床板または床を支える構造体を通して壁に流れ、壁 によって基礎から地盤へと流れていく。水平に作 用する力は、壁によって受け止められ、垂直方向の 力に変換され、壁を伝わって基礎から地盤へと流れ る。こうした力をスムーズに地盤まで流すために は、上下階の壁を同じ位置に配置する必要がある。特に鉄筋コンクリート造の場合は、壁自体の重量 (自重)が大きいので、上下の壁位置がそろっている必要がある。上階の壁の 下にそれを支える壁が無い場合には、上階の壁を空中で支える構造体が必要 になる。この構造体は、きちんと下階の壁で支えられていなければならない。 勿論、この構造体には大きな負担がかかる。ラーメン構造で耐力壁を設ける 場合も同様である。この構造壁は、平面的には、同一ライン上に並んでいるほ うが有効だ。特にツーバイフォー(2X4)の場合は、このラインがきちんと構 成されていることが大切である。また、構造壁は建物全体にバランスよく配 置されている必要がある。バランスが悪いとれが発生したりする。鉄筋コ ンクリート造の床板やツーバイフォーの床パネルも水平力に対して働き、建 物の変形を防ぐ。吹き抜けを設けるとその部分の床がなくなるので、それに 対する補強等が必要になることがある。吹き抜けは魅力的な空間であるが、 構造的には弱点となる場合もある。