要 旨CO2，排気ガスなどの環境規制が強化される中，自動車の高効率・低

要 旨CO2，排気ガスなどの環境規制が強化される中，自動車の高効率・低燃費パワートレインの開発が加速している。CO2削減のための燃費向上エンジン制御システムには，エンジンや車両の状態をより正確に検出するセンサと燃費向上に有効となるエンジン制御システムが重要な課題である。燃費向上アイテムとして普及拡大しているアイドルストップシステムでは，エンジン停止時の逆回転も検出するクランク角センサの要求が強い。三菱電機は従来の検出素子よりも高感度なGMR（Giant Magneto Resistance：巨大磁気抵抗）素子を応用した逆回転検出タイプを製品化した。GMR素子の高い感度の優位性を活用して高精度・高信頼性を実現した。燃費向上のためのエンジンのダウンサイジング化，ポンピング損失低減に伴いスロットルが全開する運動領域が拡大し，高脈動の吸入空気量検出が重要になる。排気規制対応ではエンジン始動後早期に空燃比を制御する必要がある（1） 。これらの吸入空気量検出への要求に対応するため三菱電機は，MEMS（Micro Electro Mechanical System） 技術を応用したマイクロエアフローセンサ，及び小型圧力センサを開発し，製品化した。マイクロエアフローセンサは始動時の高速応答，低消費電力という特長に加えて，脈動流及び吸気温度変化に対する検出誤差を従来比1/2に低減した。小型圧力センサは検出素子の小型化と回路の集積化によって，三菱電機従来比質量40％減を実現した。