だが、「女性は男の心を乱すから、女人禁制」という答に納得する人は少ないだろう。これはあまりにもきれいごとに聞こえる。何よりも、土俵の男女共同参画論者は、女人禁制の理由として、必ずといっていいほど「女は不浄と考えているからだ」という声をあげる。そして、「そんな理由は理不尽な差別だ」と憤る。この問題を避けては通れない。 事実『朝日新聞』は一九九〇年一月六日の社説で、なぜ女性は「聖域」にふさわしくなく、吉ではなくて凶なのか。相撲協会が公に認めているわけではないが、背景に「女は不浄」とする因習があることは間違いない。この不浄思想は、やはり見逃すことはできない。と書いている。何を根拠にここまで言い切るのか不明だが、この断言と「正義感」には圧倒されるものがある。さらに同社説は、