解説図2.8.1水密性能試験の脈動圧ステップ(2)漏水の原因 カーテンウォールの水密性能値の設定にあたっては,その性能値を高く設定すれば,漏水が起こりにくくなるわけではない.例えば,外部側接合部をシーリング材等ですべて密封状態としたカーテンウォールは,その初期性能においては極めて高い水密性能値を示すが,シーリング材の劣化,熱伸縮および地震等の影響でシーリング材の一部がはく離した埸合,接合部のディテールによっては,強風を伴わない日常的な降雨によって,漏水を引き起こす.実大試験時には汩水は起こらず,竣工後に漏水を起こす例は多い.これら漏水のほとんどは,シーリング材の性能に依存しすぎて適切な排水機構が考慮されていなかったことに起因している. カーテンウォールの設計にあたっては 漏水の原因となる各要素についてト分検討し,特に榊成部材接合部の一次側シーリング材の一部がはく離した埸合であっても,室内側には漏水しにくいデイテールとするか,あるいは,外部への排水経路を確保する等の対策が必要である.