2008年3月改訂の第8次学習指導要領では,これまで相違が見られた小・中学校の内容構成に統一が図られ,表現と鑑賞を結ぶ〔共通事項〕が設定された.そして我が国の音楽や鑑賞および言語活動の充実と並んで,音楽づくり(中学校は創作)の充実が強調された.中学校では基本的な変更は見られないが,小学校については冒頭で述べたように,第8次において,創作学習の総称が音楽づくりに名称変更され,音楽づくりは,「児童が自らの感性や創造性を発揮しながら自分にとって価値ある音や音楽をつくること」であると明確に定義付けられた.同時に「音を音楽へと構成する」ことが強調され,様式的特質に着目した従来の音楽づくりから,音楽構造(仕組み)に着目した音楽づくりへと大転換したことが第8次の特徴となっている.これに関連して,次の2点について言及しておきたい