[0007] 一方、従来例2の補強リブタイプの真空容器110 は、ビーム軌道に応じて湾曲させる必要がある場合に、ベローズタイプに比べると、歪みなく正確に成形することに困難を伴う。また、図8に示される容器本体111 のような楕円形ないし長円形(レーストラックタイプ)の断面をもつものでは、断面の長軸に沿う比較的平坦な部分(図8の例では長軸に沿う部分115 )を補強リブ112 の内周部に密着させにくい。特に、硬ろう付けを行う際に高温に加熱されると、レーストラックタイプのものでは、長軸に沿う平坦な部分が歪むことによって、ますます両者を密着させることが困難となる。このため、ろう付け箇所に隙間が生じたり、ろう付け箇所の位置決めが不安定になるなど、高品質・高精度のろう付け管理を行いにくいといった問題がある。[0008] また、上述の長円形断面を有する真空容器の場合、長軸に沿う平坦な部分の剛性を基準として補強リブの数や配置間隔を設定しなければならず、このため補強リブの数がかなり多くなり、ろう付け箇所も増えるといった問題が生じる。[0009] 従ってこの発明の目的は、容器本体に薄肉金属管を用いていながらも剛性が高くかつ内面の凹凸が少なく、必要に応じて湾曲させることができ、しかも高品質なろう付け等の接合部が得られる真空容器を提供することにある。[0010] 【課題を解決するための手段】上記目的を果たすために開発された本発明は、薄肉金属管からなる筒状の容器本体と、上記容器本体の軸線方向に所定の間隔で配置されかつ上記容器本体が挿通される容器挿入孔を有する補強フィンと、上記補強フィンが固定される部位において上記容器本体の一部を内面側から加圧することによって上記補強フィンの内周縁部を囲むような形状に膨出しかつ上記補強フィンの内周部に押圧された状態で容器本体に接合されるフィン固定部と、上記容器本体の軸線方向に所定間隔で設けられていて容器本体の外面側にひだ状に膨出する成形凸部とを具備している。